原子力第一部
原子力第一部では、世界最大の原子炉メーカであるFramatome社が保有する原子力発電所向け、補修・サービス関連機器、技術コンサルテーション等を日本の電力会社に提供しております。また、大手重電メーカであるドイツSiemens Energy社が製造する原子力発電所向けタービン等大型機器の更新工事、定検工事のプロジェクト管理業務を行っております。
燃料が損傷する過酷事故が発生した場合、格納容器内の圧力や温度を下げ、また、大気中への放射性物質の放出を抑えるための緊急の排気設備が「フィルタ付きベント設備」です。
原子炉格納容器が収められた原子炉建屋の外側に設置するタンクへフィルタを設置し、格納容器から配管で導いた気体を、このタンク内の薬液や金属フィルタを通すことで放射性ヨウ素や放射性セシウムなどを1000分の1から10000分の1以下に減らして、大気中に排出します。
当社はドイツFramatome社の製品を日本の約半数の原子力発電所に納入しています。
原子力発電所において設計基準事故や過酷事故が発生した場合、水素や一酸化炭素などの大量の凝縮性ガスが発生し、格納容器内に放出されます。これら凝縮性ガスの燃焼を制御できなかった場合、燃焼によって発生する負荷によって格納容器の健全性が脅かされます。放射性物質を環境へ放出させない最後の障壁である格納容器の健全性はいかなる状況においても維持しなければなりません。
そのような事象に対応するため、静的水素再結合装置PARは触媒(白金、パラジウム)により、水素と酸素を反応させ水にすることで、格納容器内の水素濃度を低減する装置です。
当社はドイツFramatome社の製品を日本の約半数の原子力発電所に納入しています。
原子力発電所において過酷事故が発生した場合、格納容器からの漏洩または意図的な格納容器ベント操作により、相当量の放射性物質が格納容器から環境へ放出される可能性があります。ヨウ素やセシウムなど、その大半はフィルタ付きベント設備などの既存の設備によりろ過することが可能です。しかし、キセノン及びクリプトン(特にXe-133及びKr-85)を主とする放射性希ガスだけは、化学的活性度が低いためそれら既存の設備では捕捉することが困難です。発電所の中央制御室、緊急時制御室または緊急時対策所内にて働く人々にとって、放射性希ガスを含まない新鮮な空気の供給が必須です。通常の換気空調(HVAC)系ではキセノンやクリプトンを前述の場所に吸い込み、人々がこれら放射性同位元素によって放射線被ばくすることになります。
ドイツFramatome社が開発した制御室事故時ろ過システム「CRAFT」は、過酷事故時に気中に放出された放射性物質から中央制御室や緊急時対策所内の環境を防護することに目的を特化したろ過システムです。CRAFT は、気中物質のろ過と希ガス捕捉(希ガスの動的吸着に基づく)の二つの能力を兼ね備えています。特殊な活性炭吸着床を用いた革新的な設計により、安全な吸気を中央制御室や緊急対応所等へ確実に提供します。このろ過システムは、活性炭吸着床が飽和すると自動的に再生モードに入るため、緊急事態でも供用期間に制限なく使用することが可能です。
機器・配管内に付着する放射性の金属酸化物を化学的に除去することにより、線量を下げ、作業性を向上し、作業者の被ばく量を大幅に低減することが可能になります。Framatome社が開発した除染プロセスCORD法は、高い除染性能と少ない廃棄物が特徴で、国内外に多くの実績があります。
原子力発電所における水中での検査に対する多様なニーズに応えるため、Framatome社は検査用のサブマリンシステムSUSI (Submarine System for Inspections)を開発しました。SUSIにはカメラやUT探触子、異物回収のツール等、様々なアタッチメントを装着することが可能で、水中で中性浮力をとることができるため、原子力産業界内で最も安定したサブマリンシステムと言われています。SUSIは前後、上下、旋回といずれの方向にも推進できることから操作性にも秀でており、検査の質を下げることはありません。また、原子力発電所内における様々な要望に柔軟に対応し、アタッチメントを付け替えることが可能で、準備や撤収も簡単、定期検査期間への影響も最小化することができるシステムです。
ドイツSiemens Energy社製のタービンは、最新の解析、設計ツールを駆使して開発され、実績に裏付けされた高効率タービンロータの採用により、発電所の効率、信頼性向上を図ります。化石燃料消費、CO2排出の削減にもつながります。世界中の多くの火力・原子力発電所で使用されています。
復水器伝熱管をチタン化することにより、信頼性を向上します。さらに、伝熱管の最適配列により、熱効率の改善を可能にします。
原子力発電所の非常用炉心冷却系統ストレーナ及び格納容器再循環サンプスクリーンの閉塞対策として開発され、米国で多数の実績があります。日本国内の原子力発電所でも採用されています。